“最後に、グレゴリー・ペレルマンという数学者を紹介したい。彼は、ポアンカレ予想という100年近く誰にも解けなかった数学の難問を解いた男だ。厭世的な人物で、若くから才能を見だされていたにも関わらず、大学で教鞭をとろうとはしなかった。ポアンカレ予想の解法を発表した後は完全に仕事を辞めてしまった。現在では母親の年金で生活しているというが、詳しいことは誰も知らない。
教鞭をとらない大学の研究者に給与を支払ったり、あるいは年金制度だったり――。一見、無駄に思える「食わせる仕組み」がなければ、ペレルマンのような天才は生き残れなかった。私たちの社会は無駄を増やし、「遊び」を増やしながら進歩してきた。無産階級がめざましいアイディアを生み出した例は枚挙にいとまがない。「働かない人々」の層は、人類を次のステップへ進める揺籃なのだ。
私たちの未来のために、何度でも言おう:
「仕事だけが人生ではない」
”